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自己破産で財産がない場合の「同時廃止」とは?

借金で困っている人の中には、「自分には財産がないから自己破産できない」と諦めている人がいるようですが、それは違います。めぼしい財産がない場合でも自己破産は可能ですし、免責を許可してもらうことも可能です。

今回は、財産がない場合の自己破産である「同時廃止」について解説していきます。

同時廃止とは?

「同時廃止」とは、これといった財産がなく、破産手続費用を支払うことが出来ないと認められた場合の自己破産における手続きのことです。同時廃止では破産手続開始決定と同時に手続きが終了しますので、破産手続きは一切行われません。

一方、財産がある場合は「管財事件」となります。管財事件では、破産開始決定となると同時に裁判所によって破産管財人が選任されます。破産管財人は破産者の財産をお金に換えて、債権者に配当し、破産手続きが終了します。

同時廃止では財産が失われない

財産のある管財事件では、破産管財人によって破産者の財産が管理され、お金に換えられてしまうので、大きな財産は失うことになります。

しかし、同時廃止では破産手続開始の決定と同時に破産手続きが終了するので、破産管財人は選任されませんし、財産を取り上げられてお金に換えられるということもありません。

そもそも、財産という財産はないのかも知れませんが、同時廃止の場合は一切、財産を失うことはなく、これまで通りに財産を所有することができます。

自己破産の多くは同時廃止

自己破産をする人の多くは、財産を持たない同時廃止での手続きとなっています。

元々は財産を持っていた人でも、借金の返済に困って財産をお金に換えて支払っていたりするので、自己破産するときは財産がないということになります。そのため、財産を持たない同時廃止の方が多いというのもうなずけます。

裁判所が公開しているデータによると、2014年に自己破産をした人は合計65,159人で、そのうち同時廃止となったのは43,555人、自己破産した人のうち同時廃止となったのは約67%でした。(棄却されたものや取り下げられたものは含まれていません。)

平成26年破産既済事件数|裁判所

同時廃止の基準は?

破産法の第216条1項では「裁判所は、破産財団をもって破産手続の費用を支弁するのに不足すると認めるときは、破産手続開始の決定と同時に、破産手続廃止の決定をしなければならない。」と定められています。

つまり、財産をお金に換えても破産手続きの費用が支払えなければ同時廃止としますよ、ということです。

では、どのような場合に「破産財団をもって破産手続の費用を支弁するのに不足する」となるのでしょうか?

これは、破産者の全ての財産である破産財団から差押えが禁止されている自由財産を引いた後に、財産が20万円あるかどうかが1つの基準となります。

この20万円というのは、管財事件となった場合に選任される破産管財人の報酬等など予納金に使われる破産手続費用の額で、少額管財事件の予納金が20万円であるため、20万円が基準となっているようです。

基準が裁判所によって異なる

一般的には、現金、貯金、生命保険の返戻金、退職金、車などの個々の財産が20万円を超えた場合は管財事件となります。

しかし、大阪地方裁判所では、これらの個々の財産が20万円を超えた場合でも、按分弁済をして同時廃止となる場合があります。

同時廃止のための按分弁済とは、20万円を超える財産があったとしても、その財産を破産者や代理人の弁護士などがお金に換えて、債権者に配当することです。これにより、財産を減らし、通常の同時廃止と同様の手続きを行います。

債権者への配当は管財事件と同じように借金の額に応じて配当されます。

大阪地方裁判所では、財産が20万円を超えてしまっても、管財事件にするより破産者の按分弁済による同時廃止にした方が迅速に破産手続ができ、破産者は費用を抑えることができるので、このような方法が行われているようです。

また、債権者としても配当によって多少なりとも借金が返済されるので、管財事件とならなくても問題ないでしょう。

大阪地方裁判所のように全ての裁判所で同時廃止のための按分弁済ができるとは限りません。裁判所によって対応が異なるので注意が必要です。

同時廃止の手続きの流れ

同時廃止となると、どのような流れで手続きが進むかを見てみましょう。手続きの流れは裁判所や裁判官の判断によって異なりますので、感じ違いなどのないように前もって確認しておいて下さい。

<支払い不能な状態>

↓(弁護士へ相談、依頼)
↓(債権者一覧表作成)
↓(各種書類の順部)

①-----------
・破産手続きの申立
・同時廃止の申立
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②-----------
・審尋
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③-----------
●破産手続開始決定
●同時廃止決定
●免責審尋期日の決定
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④-----------
●免責審尋
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⑤-----------
●免責決定
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⑥-----------
●公告
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⑦-----------
●免責の確定
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破産手続開始の申立の後と、同時廃止の後に「審尋」というものが行われます。これは、裁判官との面談のようなもので、口頭で裁判官の質問に対して答えていきます。質問される内容は破産に至った経緯など、書類で提出しているようなことなので心配することはないでしょう。

免責が決定後にある「公告」ですが、これは政府が発行している官報に免責の許可がおりたことを知らせることです。

同時廃止の場合、破産手続開始の申立から免責が決定するまでの期間としては、3ヶ月~6ヶ月程度が一般的のようです。

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