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自己破産で取り立てが止まる「受任通知」とは?

自己破産における「受任通知」とは何ですか?どのような意味がありますか?と言った、受任通知に関する質問が度々あるようですので、今回は受任通知にはどのような効果があるのかについて解説していきたいと思います。

受任通知とは?

自己破産など債務整理(任意整理、個人再生)を弁護士(司法書士)が引き受けると最初に行うのが「受任通知」です。(「介入通知」とも言います)

受任通知は、自己破産の場合だと全ての債権者に送付されますが、任意整理だと整理する債権者に送付されます。

主に以下の4つの内容を通知します。

  • 自己破産を予定している債務者の代理人に弁護士が就任したこと
  • 近いうちに裁判所に破産の申立てを検討していること
  • 今後は本人やその関係者に直接請求しないようにお願いする
  • 取引経過の開示を要求する

相手が貸金業者の場合には、利息制限法で定められた利息を超過して返済していることもあり、過払い金が発生していることも少なくありません。また、過払い金は出ていなくても取引経過の開示を要求して、法定内の利息で引き直し計算をすると、残りの借金が少なくなる可能性があります。

そのため、残りの借金がどのくらいあるのか正確に把握するためにも、取引経過の開示も要求する必要があります。

受任通知にはどんなメリットがあるのか?

受任通知の最大のメリットは取り立てが止まることでしょう。

自己破産を検討している債務者の場合、返済が滞っており、生活に支障をきたすほど債権者からの取り立てに困っているケースも多くあります。

そのため、受任通知により取り立てが止まっただけでも、債務整理をして良かったと思う人がほとんどで、自己破産をはじめとする債務整理において非常に大きな役割りを果たしています。

では、なぜ弁護士が債権者に受任通知を1通送っただけで取り立てが止まるのでしょうか?

貸金業法21条1項9号には以下のように定められています。

債務者等が、貸付けの契約に基づく債権に係る債務の処理を弁護士若しくは弁護士法人若しくは司法書士若しくは司法書士法人(以下この号において「弁護士等」という。)に委託し、又はその処理のため必要な裁判所における民事事件に関する手続をとり、弁護士等又は裁判所から書面によりその旨の通知があった場合において、正当な理由がないのに、債務者等に対し、電話をかけ、電報を送達し、若しくはファクシミリ装置を用いて送信し、又は訪問する方法により、当該債務を弁済することを要求し、これに対し債務者等から直接要求しないよう求められたにもかかわらず、さらにこれらの方法で当該債務を要求すること。

このように、貸金業法で受任通知後に正当な理由なく借金を取り立てることを禁止しているため、取り立てがストップします。これに違反すると、2年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金に処され、又はこの両方を課されます。(貸金業法47条の3)

ただし、訴訟されていたり、強制執行で給料などを差押えされている場合には「正当な理由」に該当するため、受任通知では回避することはできません。

自己破産の場合、管財事件に振り分けられると破産手続開始の決定があると強制執行は効力を失うことになり、同時廃止だと免責許可の申立てを行った時点で強制執行は中止されますが、効力を失うのは免責許可の決定が確定してからとなります。(破産法249条1項と2項)

強制執行の効力を失うタイミングが、管財事件と同時廃止では異なる点に注意が必要です。

債権者ごとの対応

受任通知を債権者に送る際に、債権者の種類によって対応が少し異なるので、この点を解説しておきたいと思います。

銀行などの金融機関

銀行系のカードローンだったり、住宅ローンを銀行から借りていて、その銀行に口座を持っている場合、注意しなければならない点がいくつかあります。

受任通知発送すると、まず口座が凍結され引き出しや引き落としが出来なくなり、口座にお金が残ったままとなります。銀行はこの残ったお金を借金の返済にあてる、相殺処理をするのが一般的です。

受任通知後に入金された給料などは相殺の対象にすることは禁止(破産法71条1項3号)されていますが、金融機関によっては相殺の有効性を主張したりすることもあります。

そのため、銀行などの金融機関に受任通知を発送する場合は、発送前に給料や年金の振り込み先を変更しておくなど対策が必要となります。

銀行系以外の住宅ローン

銀行系以外の住宅ローンでも銀行が代理店をしていることが多いので、代理店宛てに受任通知を発送します。この時、偏頗弁済にならないようにローンの支払いは停止する必要があります。

偏頗弁済(へんぱべんさい)」とは・・・
偏った返済のことで、債権者を平等に扱わず、一方の債権者には返済を続け、その他の債権者には借金を免除してもらうなどの不公平な返済のことです。免責不許可事由と見なされると免責が許可されない可能性があります。

消費者金融の場合

消費者金融の場合には借入れをしている支店に対して受任通知を発送しますが、支店が統合されたり、社名が変わっている可能性があるので、注意して発送する必要があります。

貸金業者の住所が分からない場合は、金融庁のホームページで検索することができます。

登録貸金業者情報検索入力ページ|金融庁

信販会社

信販会社に受任通知を発送すると、クレジットカードを返還するように求められます。二度手間を防ぐために、受任通知と一緒にクレジットカードを返還するのが良いでしょう。

念の為に、クレジットカードのコピーを取り、ハサミで2つに切るなど使えないようにして送ります。

ヤミ金など

ヤミ金業者に受任通知を発送する場合には注意がいくつかあります。

ヤミ金業者は住所などの詳しいことが分からず、携帯電話の番号しか分からないことが多いので、受任通知の発送が困難だと言えます。電話番号しか分からないのであれば、電話で受任した旨を伝えます。

ヤミ金業者の中には、受任通知後にも取り立てを繰り返す業者もいますが、決して支払いに応じてはいけません。もし、ヤミ金業者が取り立てに利用している口座があれば、金融機関に通報するなど対策も必要でしょう。

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