よくわかる自己破産ガイド

借金で悩んでいる方のために自己破産を中心に、その他の債務整理についてもわかりやすく解説するサイトです。

債務整理にはどんな方法があるの?

当サイトでは債務整理の中でも主に自己破産について解説していますが、今回は債務整理、全体について解説していきます。

ひとくちに債務整理といっても様々な方法があり、それぞれにメリットやデメリットがあります。誰がどのように手続に関与するのか、どのような効果が発生するのか、といった観点から、それぞれの手続を比較してみましょう。

任意整理について

債務整理は、債務者が委任した弁護士が貸金業者等と直接交渉することで、債務を減らしたり、過払い金を回収したりする手続です。

この任意整理が他の手続と大きく違うのは、「裁判所が関与しない」という点です(「任意整理」の対義語として、裁判所が関与する手続を「法的整理」と呼びます)。

法的整理においては、それぞれの法の理念に沿って、各債権者を公平に取り扱わなければならなかったり、債務者の財産を換価して返済に充てなければならなかったり、といった枠の中で手続が進行しますが、任意整理の場合はそのような法の規制を受けることなく、柔軟に債務を整理することができます。

具体的には、以下に挙げるような点がメリットとなるでしょう。

メリット①:借金が減額される

取引履歴を精査し、いわゆる引き直し計算を行うことによって、払いすぎていた利息を債務の元本に充当し、結果として債務が減額になったり、過払い金が返還されたりします。

メリット②:整理する借金を選べる

すべての債権者を平等に扱う必要がないので、それぞれの債権者について債務整理の交渉をするかしないかが選べます

家や自動車を手放したくないのでそれらのローンには手をつけないとか、あの人にはお世話になったから全額返済したいとかというように、各債権者の扱いに差をつけることは法的整理では不可能です。

メリット③:借金の理由は問われない

借金を作った理由が問題にされることはありません。破産手続では、例えばギャンブルや遊興費のための借金だと基本的に免責(帳消し)を受けられませんが、任意整理ではどのような借金であっても債務の減額や過払い金返還の可能性があります。

逆に、デメリットもあります。

デメリット①:和解できないことも…

任意整理はあくまで交渉ごとなので、債権者との間で合意ができない場合もありえます。その場合は、結局は法的整理に頼らざるを得ません。

デメリット②:多少、借金は減るが…

債務が減額されるとはいっても、過払い利息がない場合にはせいぜい利息や遅延損害金をカットしてもらえるに過ぎず、借金の元本自体を大幅に減らすことは困難です。

また、それらの債務は3年から5年の間に分割して返済しなければなりませんので、そもそも収入が乏しくて分割返済も困難だという場合には任意整理をすること自体不可能ですし、途中で返済が滞った場合にも法的整理を検討しなければならなくなるでしょう。

特定調停について

続いて、法的整理のひとつである「特定調停」です。個人再生や自己破産に比べると影が薄いですが、正直言ってあまり使われていない手続ではあります。

イメージとしては、裁判所(調停委員)を介して行う任意整理、といった感じであり、先ほど述べた任意整理のメリット・デメリットは、大部分が特定調停にもそのまま当てはまります。

特定調停、特有のメリットは以下の通りです。

メリット①:とにかく費用が安い

なにより、費用が安いことが最大のメリットです。

特定調停の申立ては債務者本人が行うことが前提とされているので、裁判所に支払う費用だけを負担すればよく、申立手数料500円プラス切手代で、計2000円あればおつりがくる程度となっています。

メリット②:裁判所が間に入ってくれる

債権者と合意をまとめることについて、裁判所が積極的に関与してくれます。債務者本人が債権者を直接相手にして話し合うわけではなく、調停委員がそれぞれから別々に事情を聞き、調停条項案を策定していきます。

また、仮に調停が成立しない(合意ができない)場合でも、調停委員が適切と思われる条項で決定を出してくれます(これを「17条決定」といいます)。

メリット③:差押えが停止

裁判所に別途の申立てを行うことによって、給与等にかけられた差押えを停止してもらうことも可能です。

そして、デメリットとしては以下のようなことがあります。

デメリット①:書類作成が大変…

申立てにあたり、裁判所が債務者の経済状況をきちんと把握するために、すべての資産や負債についての書類を作成して提出することとなっています。これはもちろん、特定調停の対象としない債権者に関しても記載しなければなりませんが、これがかなりの手間です。

デメリット②:出廷するのが大変…

調停期日には、本人が簡易裁判所に出廷しなければなりません。債権者1社について調停が成立するまでにおおむね3回の出廷が必要であり、それが債権者の数だけ続きます。

申立てや出廷を弁護士に依頼すること自体は可能ですが、そのぶんの弁護士費用がかかります。費用が安いという最大のメリットがなくなることを考えれば、どうせ弁護士に依頼するなら任意整理のほうがいいと言えます。

デメリット③:過払い金の返還請求ができない…

特定調停手続のなかでは過払い金の返還請求はできず、別途訴訟を提起する必要があります。

これは、二度手間になるという単純な問題ではなく、過払い金を他社への返済に充てることがタイミング的に難しくなるという経済的なデメリットが内在していることに注意しなければなりません。

デメリット④:返済できない場合は強制執行も…

任意整理での合意書にあたる「調停調書」は、裁判所という公的機関が債権の存在を確認した文書なので、これに基づいて強制執行をすることができます。

つまり、仮に調停調書で決められたとおりの返済ができない場合には、給料等の差押えを受ける可能性があります。

個人再生と自己破産について

最後は、裁判所が関与することで公平かつ確実に債務を整理する「個人再生」と「自己破産」です。

「個人再生」は、住宅やクルマなど一部の資産を維持しながら、債務を大幅に圧縮してそれを原則3年(例外的に5年)に分割して支払う「再生計画案」を立てます。

その計画に従って返済をしていくという手続です。計画どおりに分割払いを終わらせた時点で、すべての債務から解放されることとなります。つまり、借金の一部を計画に従って完済すれば、残りの借金は免責されるということですね。

これに対して、「自己破産」は、もう返済ができないという状況に陥ってしまったとき、自分の持っている財産をお金に換えて、可能な限り債権者に弁済し、それでも残ってしまった債務は免責してもらうという手続です。

自己破産の概要についてはコチラの記事で書いてます。
自己破産で借金ゼロへ!自己破産について知ろう!

個人再生と自己破産の違いを比較しながら、それぞれのメリット・デメリットを考えてみましょう。

財産の所持;個人再生◯:自己破産×

先ほども述べたとおり、個人再生では住宅などの財産を手放さずに手続を進められます。一方、自己破産では高価な資産はすべて換価されてしまいます。

自己破産では、預貯金や、住宅・自動車などの高価な品物だけでなく、「現時点での退職金の見込額」や「保険の解約返戻金」といった、目には見えない財産も処分の対象となることに注意が必要です。

自己破産における財産の取り扱いに関する記事はこちらです。
自己破産で財産が無くなる?手元に残せる自由財産とは?

「個人再生」は借金がゼロにはならない

ただし、一定の財産が残るのと引き換えに、個人再生では借金が全額なくなるわけではありません

具体的には、債務の総額に対して以下のような目安で、最低限返済しなければならない金額が決まっており、この金額を返済することを前提に再生計画案が作成されます。

なお、この最低返済額以上に財産を持っている場合には、その財産の評価額の合計(清算価値といいます)が実際の返済額になります。

債務総額最低返済額
~100万円未満債務の全額
100万円~500万円未満100万円
500万円~1500万円未満債務の5/1
1500万円~3000万円以下300万円
3000万円超~5000万円未満債務の1/10

例えば、債務の総額が900万円であれば、最低返済額は900万円×1/5=180万円であり、3年間かけて毎月5万円(180万円÷36か月)ずつ返済しなければなりません。

ただし、住宅ローンつきの住宅を残したいときには、これとは別に住宅ローンを支払う必要があります(住宅資金特別条項)。

「住宅資金特別条項(住宅ローン特則)」とは・・・

正式には「住宅資金貸付け債権に関する特則」と言います。
住宅ローンのある人が個人再生をする場合に、住宅は手放さず、そのままローンを払い続け、住宅ローン以外の借金だけを整理することができるというものです。

「自己破産」では職業が制限される

自己破産をすると一定の職業に就くことができなくなりますが、個人再生にはそういった資格制限はありません。有名なところでは、弁護士や税理士などの士業であったり、警備員や生命保険募集人、証券会社外務員など、お金に関係しそうな職業があげられます。

変わったところでは、調教師や騎手にもなることができません。実にさまざまな種類の資格制限がありますが、そのような職業についている人でなければ特に問題はありませんし、免責決定が出れば資格制限もなくなりますので、それほど気にしすぎる必要はないでしょう。

自己破産における資格制限はこちらで詳しく書いています。
自己破産すると就けない職業がある?資格の制限について

「個人再生」では借金の理由は問われない

個人再生の場合は、どのような理由で借金を作ったとしても、上記のように作成された再生計画に従って返済すれば、残りの債務は免責されますが、破産手続の場合、ギャンブルや浪費などのために借金を作った場合には、免責が認められない可能性があります。

自己破産で免責が認められないケースはこちらで解説しています。
借金がゼロにならない!免責不許可事由とは

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