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自己破産の裁量免責!どんな場合に免責が受けられる?

※この記事は弁護士の監修のもと作成しています。

自己破産手続で免責を受けると、どれだけ多額の借金があっても支払い義務が完全に0になるという強力な効果がありますが、自己破産にはいくつかの「免責不許可事由」があります。

免責不許可事由に該当する行為があると、基本的に免責は許可されませんが、自己破産には免責不許可事由があっても免責が認められる「裁量免責」というものがあります。

では、「裁量免責」は、どのような場合に認められるのでしょうか?また、裁量免責を受けるためにどのような点に注意すべきか?も知りたいところです。

今回は、自己破産の裁量免責について解説します。

裁量免責とは?

そもそも「裁量免責」とは一体どのようなものなのでしょうか。

自己破産における裁量免責とは、免責不許可事由があっても、裁判所の裁量によって免責を認めることが出来るという制度です。

自己破産では、どれだけ多額の借金や債務があっても支払い義務を0にすることが可能ですが、そのためには裁判所によって「免責」を認めてもらう必要があります。免責とは債務の支払い義務を免除することであり、この免責を得ることによって始めて自己破産で借金をなくすことが出来るのです。

ところが、自己破産手続においては、一定の場合には免責を認めない扱いになっています。典型的な例がギャンブルや浪費が原因で借金した場合です。このような免責を認めない原因のことを「免責不許可事由」と言い、免責不許可事由があると基本的に免責は受けられません。

ただ、免責不許可事由があると、絶対に免責が受けられなくなるということではなりません。

免責不許可事由がある人でも、ケースによっては裁判所がその裁量によって免責を認めようというのが裁量免責の制度です。

「免責不許可事由」についての詳しい記事はこちら!
借金がゼロにならない!免責不許可事由とは

裁量免責の際の考慮要素は?

免責不許可事由があっても裁判所の裁量によって免責してもらえるという裁量免責ですが、具体的にどのような場合に認められるのでしょうか。裁量免責の際の考慮要素を解説します。

免責不許可事由の重大性が問題

裁量免責は、裁判所が事件全体を総合的に評価して、当該債務者に免責を認めて良いと判断した場合に免責が認められるものです。このとき、まずは問題となる免責不許可事由の重大性がまず問題になります。

たとえばギャンブルや浪費が原因の借金の場合には、ギャンブルにつぎ込んだり浪費した金額の大きさが問題になります。

ギャンブルなどにつぎ込んだ金額が大きく、借金のほとんどを占めているような場合には裁量免責が認められにくくなりますし、逆にギャンブルや浪費があったとしても少額であったり借金の中で占める割合が低い場合には、裁量免責が認められやすくなります。

債務者が真摯な姿勢で取り組んでいるかが問題

次に問題になるのは、債務者の姿勢です。具体的には債務者が今後も問題行為を継続する可能性があるかなどの問題です。

たとえばギャンブルにはまって借金してしまった人などについては、今はきっぱりギャンブルを辞めることが出来ているのかなどが問題になります。

浪費による免責不許可事由がある人の場合には、継続的に家計収支表を提出させることによって、現在きちんとした生活ができているかについて厳しくチェックされます。

財産隠しや一部の債権者だけ優遇して借金を支払うという偏波弁済を行った人については、その行為の何が問題になっているのかなどを理解しているのかどうか、債権者を害してはいけないことや、債権者を公平に扱わなければならないことなどをきちんと理解できているのかどうかなどがチェックされます。

このように、かつて問題行為があった人でも、今はきちんとその行為の問題性を認識していて再度同じ過ちを繰り返すおそれがないかどうかも、裁量免責の判断基準になります。

似た内容ですが、債務者がどれだけ反省しているかも問題になります。かつて問題行為があった債務者でも今はきちんとその行為を反省しているかがチェックされます。このことと関連して、裁判所から反省文の提出を求められることもあります。

管財事件になることも

これらの免責不許可事由についての債務者の姿勢や現状をチェックするため、自己破産事件が管財事件になることがあります。この場合の管財人は、財産を換価するというよりも債務者の裁量免責を認めて良いかどうかをチェックする役割を担います。

破産者はときおり管財人の事務所に通って、状況報告をしたりかつての問題行為に関する反省を述べたりします。管財人の報告内容も、裁判所の裁量免責の判断に多大な影響を与えます。

弁護士は裁量免責のために対策してくれる?

自己破産手続を行う際には弁護士に依頼するのが一般的ですが、自分の依頼した弁護士は裁量免責を得るために何か対策をしてくれるのでしょうか。

まず自己破産申立を行う際、申立代理人弁護士は免責不許可事由についての報告もしますが、これについて申立代理人としての意見を述べる欄があります。

自己破産を依頼した弁護士は、通常この意見の欄に、「免責不許可事由はあるけれども、問題行為はさほど重大で無く反省もしているので、裁量免責が相当である」などの意見を書いてくれます。

また、手続が進行している最中に裁判所から反省文を求められた場合もその書き方や考え方をアドバイスしてくれますし、裁判所や管財人との面談の際の注意点なども教えてくれます。

このように、自己破産を依頼した場合の申立代理人弁護士は、裁量免責を得るためにも大変心強い味方になります。

裁量免責を得るための注意点

免責不許可事由があっても裁量免責を受けるためには、いくつか注意点があります。

それは、当然のことでもありますが、問題とされている行為が何であるのかをきちんと把握すること、そしてその行為をしっかりと見つめ直し、反省している態度を見せることです。

破産手続の進行に協力的な態度を執ることも大切です。管財人がついたときに管財人の指示に従わないと、それだけで免責に関する評価が落ちてしまい、最終的に裁量免責が受けられない可能性も出てきます。

管財人や裁判所から提出を求められた資料や報告書、反省文や家計収支表などは、速やかに用意して提出しましょう。裁判所や管財人、依頼した弁護士などから呼出があったらできるだけ柔軟に対応し、ドタキャンしたりすっぽかしたりすることのないようくれぐれも注意しましょう。

これらのことに注意していれば、1回目の破産であればたいていの場合、裁量免責を受けることが出来ます。免責不許可事由があっても過剰に恐れる必要は無いので、弁護士に相談しながら自己破産手続を利用しましょう。

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