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自己破産における少額管財手続とは?

自己破産には基本的に同時廃止管財事件の2つ手続きがありますが、東京地方裁判所などでは「少額管財手続」が行われています。通常の管財事件よりも費用が安く済むというメリットなどがありますが、他にはどのような特徴があるのでしょうか?

今回は少額管財手続について詳しく解説していきたいと思います。

少額管財手続とは?

多少の財産があると管財事件として手続きが進むため、破産者は予納金50万円を裁判所に支払う必要があり、また、同時廃止と比べると時間もかなりかかることになり、破産者には大きな負担となっていました。

そこで、登場したのが東京地方裁判所などで行われている「少額管財手続」です。

少額管財手続は、ある程度の財産を所有する人が破産する場合の手続きで、破産法の範囲内で出来る手続きを簡素化して時間の短縮を図り、費用を安く抑えるという制度です。

これにより、通常の管財事件では50万円かかっていた予納金が、少額管財手続では20万円まで低くなりました。

少額管財手続は東京地方裁判所で平成11年に開始された制度ですが、現在では全国各地の裁判所で実施されています。全ての裁判所が行っているわけではないので、少額管財手続を希望している方は、自分の住んでいる地域を管轄している裁判所が少額管財手続を行っているか確認しておく必要があるでしょう。

代理人が必要

少額管財手続により処理される自己破産のことを少額管財事件と言います。

管財事件ではなく、少額管財事件に振り分けられるには弁護士を代理人として自己破産を申立てる必要があります。そのため、代理人を立てず、自分で自己破産を申し立てた場合には少額管財事件には振り分けられません。

これは、即日面接によって同時廃止か少額管財事件に振り分けられるためです。即日面接と少額管財手続によって、たとえ破産管財人が選任されたとしても、同時廃止に負けないくらい早く破産手続が終わるようになりました。

「即日面接」とは・・・
少額管財手続と同時に開始された制度で、弁護士を代理人として同時廃止を申し立てた場合に、申し立てた当日または3日以内に裁判官と代理人が面接をして、代理人の調査に問題がないと認められれば、その日に破産手続開始と同時廃止の決定をする手続きです。

同時廃止が適当ではなく、破産管財人を選任して財産の調査などが必要だと判断された場合は管財事件(少額管財事件)として振り分けられます。この制度により、迅速に手続きが勧められるようになりました。

代理人が申立てをしなければならない理由は、代理人が債権や財産、借金の理由などを十分に調査したことが前提になっているためです。つまり、代理人が自己破産を申立てたのであれば、それらをしっかりと調べているだろうと裁判所から信頼されているため、即日面接による同時廃止と管財事件への振り分けが可能となっています。

少額管財事件になるケース

ある程度の財産はあるが、管財事件に必要な予納金50万円を支払うことが困難な場合に、以下のような事件類型に該当すると、少額管財事件として振り分けられます。

①偏頗(へんぱ)弁済型

否認権の行使により金銭その他の財産を取り戻す必要があるか、否認権を行使するか否かを破産管財人により調査する必要がある場合

「否認権」とは・・・
債務者が自己破産をする前に財産を処分してしまっていた場合に、その処分の目的が財産を取り上げられるのを阻止するためだったら、その処分された財産を破産者が所有する財産として破産財団に組み込むことができる、破産管財人の持つ権利のことです。

②不当利益型

利息の再計算による不当利益返還請求権の行使により、消費者金融等から金銭を取り戻す必要がある場合

③差押え回避型

給与等が差押えや仮差押えの可能性があるために管財人を選任する必要がある場合

④差押え解除型

給料が天引き、差押えまたは仮差押えを受けている場合および生命保険の解約返戻金が差押えまたは仮差押えを受けている場合

⑤免責調査型

免責不許可事由の存在が明らかであるが、裁量免責を受けるために、管財人による調査が必要な場合

⑥調査型

破産申立書および陳述書からは事実関係や財産状態が明らかでない事案で、一定期間、破産管財人により、郵便物を管理したり、債権者から聞き取り調査をする必要があると判断された場合

⑦その他

生命保険の解約返戻金や預貯金などの換価可能な財産が20万円以上見込める場合

③や④の場合、たとえば、債務者が給料などを差押えされている場合、予納金が50万円も必要な管財事件としなくても、少額管財手続とすることで、予納金が20万円で破産管財人を選任することができ、差押えなどの執行を停止することができます。

また、差押えされる可能性がある場合にも、差押えができなくなるというメリットがあります。

現在では少額管財手続が標準

1999年4月に東京地方裁判所で始まった少額管財手続ですが、翌年の2000年には個人の自己破産だけではなく、法人も対象となりました。

また、全てではありませんが、横浜、静岡、名古屋、大阪などの東京地方裁判所以外の地方裁判所でも広く行われるようになってきています。繰り返しになりますが、少額管財手続を希望する場合は申立てる裁判所が少額管財手続に対応しているか必ず確認してください。

東京地方裁判所における管財事件では、90%以上が少額管財手続として処理されているという報告もあります。よって、現在では通常の管財事件の手続よりも少額管財手続の方が標準的に手続となっています。

そのため、これまでの少額管財手続ではない管財手続のことを特定管財や通常管財と呼んで区別することもあります。

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