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公正証書を取られている場合でも任意整理できますか?

任意整理に関する質問

【この記事は弁護士監修のもと作成しています】

【質問】

消費者金融などから合計200万円ほど借金があり、毎月の借金返済を工面するのに苦労しています。なので、任意整理を検討していますが、公正証書を取られている場合でも任意整理は可能なのでしょうか?

【回答】:任意整理は出来るが、不向きな場合も

そもそも公正証書とは?

公正証書が取られている場合に任意整理ができるのかを検討する前提として、そもそも公正証書とはどのようなものなのかを確認しておきましょう。

公正証書とは、公証人が法律に従って作成する公文書です。公証役場にて作ることが出来ます。 今回問題になっている公正証書は、金銭消費貸借契約書(お金の貸し借りに関する契約書)を公正証書の形で作成しているものです。

金銭消費貸借契約書を公正証書にした場合、債務者が予定通りの支払いをしないと、債権者は裁判することなく債務者の財産を差し押さえる(強制執行)ことが出来るよう定めることが出来ます。これを強制執行認諾条項つきの公正証書と言います。

消費者金融などに公正証書をとられている場合、通常はこの強制執行認諾条項がついていますので、もし支払いをしなければ裁判無しにいきなり給料などを強制執行されて差し押さえられる可能性があります。

公正証書の危険性と規制強化

上記のように、公正証書は非常に強力な効果を持ちます。公正証書がなければいったん裁判手続きを経てからでないと差し押さえが出来ないのに、公正証書があると、支払いを滞納した場合、いつなんどき差し押さえされてもおかしくない状態になってしまいます。

このような強力な効果を持っているので、貸金業者が借金の取立のために公正証書を作成利用することについては法律によって厳しく規制されています。具体的には、貸金業法という法律によって、貸金業者が債務者から白紙委任状をとって公正証書を作る行為を禁止しています。

(白紙委任状とはその名の通り、委任内容が全く書かれていない白紙の委任状のことです。)

さらに、平成18年にこの貸金業法に改正があり、規制が更に強化されました。
具体的には、貸金業者が強制執行認諾付きの公正証書を作ったり、利息制限法を超える利率での契約内容の公正証書を作ることを禁止し、貸金業者が債務者から委任状をもらったり、債務者の代理人を推薦して公正証書を作成することも禁止しました。

さらに、公正証書を作成する際には、貸金業者は債務者に不利益をきちんと説明しないといけないとされ、これらの規定を守らなかった場合には、貸金業者に1年以下の懲役、300万円以下の罰金という罰則(刑事罰)が課されることになりました。

このように、現在においては貸金業者が公正証書作成にかかわり、債務者から公正証書をとることについて厳しく規制しています。

公正証書がとられていても任意整理出来る?

では、質問にあるように、業者に公正証書がとられている場合にも任意整理は出来るのでしょうか。

公正証書がとられている場合、厳密に言うと、①実際に借金があるケースと、②委任状などを利用して勝手に公正証書を作成されていて実際には借金がないケース(違法なケース)がありますが、質問のケースでは①実際に借金しているケースであると考えられますので、以下ではそれを前提に説明します。

公正証書をとられていても、任意整理そのものは可能です。任意整理は、債権者と直接交渉して、借金の返済額と返済方法を話し合って合意する手続きですから、両者の合意さえ整えば公正証書があっても手続き出来ます

公正証書と異なる内容の支払い方法を定めることに債権者が同意すれば、新たに定めた支払い方法によって借金返済していけば良いことになるのです。公正証書が作成されている場合に任意整理する場合には、合意時に「以前に作成された公正証書によって強制執行しない」ことも約しておくことが望ましいでしょう。

ただし、任意整理ではあくまで債権者の同意が必要であることに注意が必要です。貸金業者によっては「公正証書がある以上、それより不利な条件への変更交渉に応じる必要がない」と考え、任意整理の交渉に応じない業者もいます。

公正証書をとられた相手がこのような考えの業者であった場合には、任意整理により解決が困難になることがあります。

すでに強制執行されている場合は?

貸金業者によってすでに給料や預貯金などを強制執行されている場合も問題になります。 この場合も、任意整理が困難になることがあります。 任意整理では、強制執行を止める効力がないからです。

任意整理で強制執行を止めようとすると、交渉によって支払いの合意をして、今後確実に支払っていくこととの引き替えに貸金業者などに任意で強制執行を取り下げてもらう必要があります。

しかし、実際任意整理をしても相手が強制執行の取り下げに同意するかどうかはわかりませんし、任意整理の話し合いがつくまでの間、何ヶ月もかかってしまい、この間ずっと強制執行が続いてしまうのも重い負担になります。

借金の相手先が公正証書を持っている当該債権者だけであり、一括払いできるなどの事情で早期に解決できるようなケースをのぞいては、既に強制執行が起こっている場合には、任意整理による解決方法は向きません。

既に強制執行が行われている場合には、任意整理よりも個人再生や自己破産手続きの方が向いています。個人再生や自己破産であれば、手続きの申し立て後、強制執行を停止する措置をとることができるからです。

ただ、債権者が任意の強制執行の取り下げに早期に同意する場合には、任意整理によっても解決することが可能です。

公正証書をとられている場合に任意整理出来るのかどうかという問題は、債権者の対応によるところが大きく、その意味でケースバイケースということになります。 参考にしてみてください。

カテゴリ:よくある質問

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