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取り立てが止まる!任意整理における受任通知の効果とは

受任通知の効果

任意整理を依頼された弁護士や司法書士が「受任通知」を貸金業者に送付すると、貸金業者からの取り立てがストップします。日頃から取り立てや督促に悩まされている方はこれだけでも任意整理をやって良かったと思えるでしょう。

受任通知に関しては「話し合いで円満解決!任意整理の流れと期間は?」の記事でも触れていますが、今回はより詳しく解説していきます。

それでは、受任通知にはどのような効果があるのかを見ていきます。

受任通知とは?

借金に困っている人が弁護士や司法書士に任意整理などの債務整理を依頼すると、まず最初に貸金業者に対して受任通知を送り、債務整理を受任したことを通知します。

つまり、債務者から債務整理を依頼されたので、今後は債務者に直接取り立てることを止めて、こちらの弁護士(司法書士)を窓口として交渉してくださいね!ということを明確に伝えます。

受任通知を送るのと同時に弁護士や司法書士は貸金業者に対して、取引経過の開示も要求します。取引経過とは、いつ、いくら、どのくらいの金利で貸して、いくら返ってきて、いくら残高があるのかというのをまとめたものです。

取引経過の情報は利息制限法に基づく引き直し計算を行うのに必要となり、これを開示してもらわなければ任意整理は進みません。受任通知と同時に取引経過の開示要求をすることで、その後の処理がスムーズとなります。

取引経過の開示に応じるのは貸金業者の義務であることが最高裁でも明らかにされている(最判平17・7・19判時1906号3頁)ので、もし情報が開示されない場合は慰謝料を請求することになるでしょう。

取り立てが止まる

弁護士や司法書士が貸金業者に受任通知を送ると、取り立てが止まります。

これは、受任通知を受け取った貸金業者は貸金業法により債務者に対して直接の取り立てが禁止されているためです。違反した場合は、2年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金、又は両方が科せられます。

また、過去には受任通知を受け取ったにも関わらず債務者に直接取り立てを行ったことで、慰謝料が発生したという裁判例もあります。これらに違反してまで取り立てを行う業者は少なく、弁護士を通して交渉が進む場合がほとんどです。

任意整理を依頼する人の多くは業者からの取り立てによって疲弊しているため、取り立てが止まっただけでも任意整理して良かったと思える人が多いでしょう。

このことからも、任意整理において受任通知はとても重要な役割を果たしています。

受任通知の前にやるべき事

その後の手続きをスムーズに進めるため、受任通知を弁護士や司法書士に送ってもらう前にやっておくべきことを紹介しておきます。

クレジットカードの返却を準備する

任意整理をする場合、整理の対象となったクレジットカードやローンカードは使えなくなるので、クレジット会社に返却することになります。受任通知と別々に送ってしまうと二度手間となってしまうので、受任通知と一緒に送ってもらうようにします。

返却する際は念の為に、クレジットカードのコピーを取り、裏面の黒い部分が読み取れないようにハサミで裁断してから返却するようにしましょう。

整理する業者を一覧にまとめておく

弁護士や司法書士に任意整理を依頼する前に、貸金業者の住所と連絡先を一覧にしてまとめておくことをおすすめします。こうすることで、受任通知を送るときにわざわざ弁護士・司法書士が調べなくて済むので円滑に送ることができます

ある程度大きい貸金業者であればホームページがあると思うので、住所や連絡先はすぐに分かるでしょう。連絡先が分からない場合は金融庁の「登録貸金業者情報検索サービス」で調べることができます。

受任通知に関する注意点

受任通知を送ってもすぐに取り立てが止まらないなどの注意点がありますので紹介しておきます。

債権者から連絡があった場合

普通は受任通知を送ると取り立てが止まるのですが、受任通知が届くまでにタイムラグがある場合には貸金業者から直接、連絡が来ることがあります。

その場合に注意すべきことは以下の通りです。

  • 既に弁護士や司法書士に依頼したことを伝える
  • 弁護士から債権者と直接話しをしないよう支持されていることを伝える
  • 連絡などは全て弁護士や司法書士にしてもらうようにする

基本的には、弁護士に依頼しているからそっちに連絡して欲しいという姿勢で取り合わないようにします。

給与口座などを変更する

受任通知を送った金融機関に給与などが振り込まれる口座がある場合は注意が必要です。

その場合には、口座凍結などにより引き出すことが出来なくなる可能性がありますので、給与の振込先を変更する必要があります。

もし、既に凍結されてしまった場合は銀行に支払要求の通知を行うことで、引き出せるようになるケースもあります。支払い要求は、口座にあるお金で借金を相殺することは民事執行法と破産法から権利濫用と判断されますよ、すぐに下ろせるようにしてください、という内容を通知します。

また、借金の支払いを銀行口座から自動引き落としにしている場合も注意が必要です。受任通知を送っても引き落としはすぐには止まらないので、口座に預金があるのであれば引き出しておくようにしましょう。

まとめ

今回は受任通知の効果についてとその注意点について解説してきました。ちなみに、受任通知は任意整理だけではなく、個人再生や自己破産などの債務整理を弁護士が受任した場合にも送付されます。

受任通知が送付された後は貸金業者に和解案を提示するまでにしばらく期間が空きます。しかし、この期間は何もしないでいいのではなく、和解案の作成に必要な家計の状況をまとめた資料を作るなど有効に利用しなければなりません。

貸金業者からの取り立てが止まったからと言っても、まだ何も解決していませんので、決して安心しないようにしましょう。受任通知は任意整理または債務整理の第一歩なのです。

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