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柔軟な対応が可能!個人事業主の任意整理について

個人事業主の任意整理について

借金が返済できず任意整理を検討している人の中には、個人事業主である人もいるのではないでしょうか?そもそも個人事業主の場合は任意整理できるのでしょうか。また、個人が任意整理する場合と個人事業主が任意整理する場合ではどのような違いがあるのでしょうか。

今回は個人事業主が任意整理する場合について説明していきます。

個人事業主の方が複雑…

個人事業主とは、株式会社などの会社を設立しないで、自分で何かしらの事業をしている方のことで、つまり自営業の方のことですね。

個人事業主が任意整理をしようとした場合、個人の場合と比べると、考慮しなければならない要素が多く複雑だと言えます。

まず、任意整理するということは、今後も借金の返済を続けて行くということです。返済を続けて行くということは、今後も個人事業主として利益を上げて生計を立てていくことも考える必要があります。

そして、事業で利益を出していくためにはどのように任意整理すべきか、取引先をどのように扱うべきかなどを考えなければならない点は、個人の任意整理とは大きく異なる点でしょう。

将来において利益が上がりそうであれば、任意整理に踏み切り事業の再建を進めていくことになります。しかし、利益が上がる見込みがないのであれば、今後の返済も難しいため破産して別の仕事に就くことを考えざるを得ないでしょう。

個人事業主の場合は利息制限法の範囲内の金利を設定している銀行からの借入れが多いので、一見すると任意整理する意味はあまり無さそうですが、個々の債権者への対応を柔軟にできるためメリットは大きいと言えます。

リース料をどうするか

個人事業主のほとんどは電話機やコピー機などをリース会社から借りているでしょう。そして、このリースはファイナンスリースであることが多いです。

この記事を読まれている個人事業主の方はファイナンスリースについてはご存知かも知れませんが、一応説明しておきます。

「ファイナンスリース」とは、顧客が選んだ物をリース会社が購入して顧客に貸してくれるというシステムです。顧客としては莫大な初期投資が掛かりませんし、面倒くさい手続きもリース会社がしてくれて、毎月定額のリース料金を支払えばいいというメリットは大きいです。

凄く良さそうなシステムですが、途中解約ができませんし、毎月のリース料金で品物の総額を支払うことになり、そこには金利なども含まれています。つまり、リースとは言えども、実質的にはほとんど借金と変わらないと言えるでしょう。

よって、任意整理においてはリース料金の金利に利息制限法が適用できるかどうかが問題となります。

過去の裁判例では利息制限法が適用できないとしたものも多いのですが、中には利息制限法の適用を認めた例もあります。債務者の利益を考えると弁護士や司法書士はできるだけ利息制限法が適用されるように債権者と交渉する必要があるでしょう。

返済資金を作る

不動産や自動車、什器備品などの中から、任意整理後に生計を立て直すために必要のないものは、売りに出して返済資金を作ります。

土地や家など不動産がある場合、これを担保としていれば任意整理後に競売にかけられることになってしまいます。競売は自分で売るよりも安くなることがあるため、自分で売却した方が良いでしょう。

車は自動車税や自賠責保険に任意保険、それに数年に1度は車検もあるため、年間を通して維持費がかなりかかります。そのため、生活に支障がないのであれば、手放すことを考えた方が良いかも知れません。

生命保険を解約するかどうかは、解約返戻金がどのくらいあるかによって異なると思いますし、債務者の健康状態にもよるでしょう。しかし、任意整理をする前に保険料を見直したり、既に解約してしまっている人も多いようです。

債権者をどのように扱うか

最初の方でも触れましたが、個人事業主の任意整理では、債権者の中に取引先の銀行がいたり、銀行と消費者金融を同じように扱えなかったりと、債権者によって異なる和解案が必要になることがあり、これが問題となります。

銀行と消費者金融をどう扱うか

個人事業主の任意整理では、個人の任意整理とは違い、債権者を平等に扱わなくても良いと考えられるケースがあります。

債権者が消費者金融の場合は個人の任意整理と同様に、引き直し計算を行って元本に充当し、将来利息と遅延損害金のカットを交渉します。しかし、債権者が銀行の場合は支払いが止まった日から和解日までの利息カットに合意してもらえないケースがあります。

その場合、債権者を平等に扱うという債権者平等の原則を考えると、債権者によって異なる和解をしても良いのか?ということが問題となります。

そもそも債務者が任意整理をすることとなった原因としては、消費者金融の金利が高いことが大きいと考えられるので、銀行が債権者の場合には利息を和解金に含めても問題ないと考えられています。

取引先をどう扱うか

個人事業主の場合、取引先の銀行を任意整理していまえば、今後の取り引きができなくなり、事業の再建も難しくなってしまいます。そのため、取引先の銀行は任意整理せずにこれまで通りに支払いを続けていくことが必要となります。

しかし、これでは他の債権者が納得しない可能性がありますので、取引先とこれまで通りに取り引きをしていくことにより、和解金の支払いができるということを他の債権者には説明しなければなりません。

まとめ

今回は個人事業主の任意整理について説明してきました。

個人事業主と個人の任意整理の大きな違いとしては、今後の事業の再建を考慮しながら任意整理するのかどうかということでしょう。個人事業主の場合は事業の再建計画を見据えながら返済計画を立てる必要があるため、個人と比べて複雑となります。

個人事業主で債務整理を検討している場合、今後も返済を続けていける見込みがあるのであれば、柔軟な対応ができる任意整理を選択するメリットは大きいでしょう。

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