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任意整理と個人再生を比較!その違いとは?

任意整理と個人再生比較

債務整理を検討している人であれば、任意整理だけではなく個人再生も選択肢の1つとなるでしょう。任意整理と比較して個人再生にはどのような違いがあり、どのような点がメリット・デメリットとなるのかについて、今回は解説していきます。

まずは個人再生とは何か?ということから説明していきましょう。

個人再生とは?

個人再生とは、裁判所を利用して借金を減額する手続きのことです。任意整理と同様に借金がゼロにはならないので、残った借金は分割して返済していきます。

任意整理では弁護士や司法書士が直接、貸金業者に借金の減額を交渉しますが、個人再生は裁判所を介して法的に借金を減額します。そのため、個人再生の方が貸金業者に対して法的な強制力があります。

個人再生には条件や手続きの違いによって、「小規模個人再生」と「給与所得者等再生」の2種類があります。

小規模個人再生

小規模個人再生とは、収入を返済資金として借金の一部を3年で返済できるような再生計画案を作り、債権者と裁判所の認可を得て、計画通りに返済していくものです。計画通りに返済が終われば、残った借金は帳消しとなります。

小規模個人再生を利用する人は以下の要件を満たす必要があります。

  • 無担保の借金が5000万円以下
  • 将来において継続的収入のみ込みがある

小規模個人再生の最大のメリットは大幅に借金が減額されることでしょう。
小規模個人再生でどのくらい減額されるかは借金の金額によって異なります。

借金の総額返済する額
100万円未満全額
100万円以上500万円以下100万円
500万円を超え1500万円以下5分の1
1500万円を超え3000万以下300万円
3000万円を超え5000万円以下10分の1

デメリットとして挙げられるのは、再生計画案が認可されない可能性があるということです。反対する債権者(貸金業者)が頭数で半数未満かつ債権額で2分の1以下でなければ認可とはなりません。

給与所得者等再生

基本的に小規模個人再生と似たような手続きで、安定した給与が見込めるサラリーマンなどに向けて、より簡略した手続きとなっています。

給与所得者等再生を利用するには以下の3つの要件を満たす必要があります。

  • 小規模個人再生の要件を満たしている
  • 給与又はこれに類する定期的な収入を得る見込みがある者
  • その額の変動の幅が小さいと見込まれる者

「定期的な収入を得る見込み」とは3ヶ月に1度くらい収入があればOKとされていて、「変動の幅が小さい」とは1年を通して20%以内の変動であれば良いとされているようです。

給与所得者等再生のメリットは、小規模個人再生よりも簡単な手続きであり、可処分所得の2年分以上の金額を返済することを条件に、貸金業者が反対したとしても再生計画案が認可されます。

可処分所得とは、収入から税金や社会保障費、などの生活に必要なお金を差し引いた自由に使えるお金のことです。これの2年分を返済するとなると、かなりハードルが高く、この点がデメリットだと言えます。

給与所得者等再生は貸金業者の同意がいらないというメリットがあるものの、返済額が小規模個人再生よりも高くなってしまうため、一般的には小規模個人再生の方を選ぶ人が多いようです。

住宅資金貸付債権に関する特則

個人再生では「住宅資金貸付債権に関する特則」というものが設けられており、住宅ローンが残っている人でもマイホームを保持し、ローンを返済しながら個人再生することができます。

この特則がなければ、債権者平等の原則から債権者(貸金業者など)は一律に整理されてしまい、マイホームを手放すことになってしまいます。そのため、この特則を利用する人は多いようです。

この特則を利用すると、住宅ローンの減額はありません。しかし、返済期間を延長したり、支払いを据え置きにするなどして、毎月の返済額を減額できる可能性はあります。

任意整理と比較した個人再生のメリット

ここでは任意整理と比較して、個人再生にはどのようなメリットがあるかを紹介していきます。

メリット①:元本がカットされる

個人再生だと、金額によっては借金の総額が5分の1や10分の1にまで減額されます。

任意整理では基本的に元本のカットはなく、借金が高額な場合は3年以上の長期的な返済を交渉する必要があり、和解が難しくなります。

借金の減額では個人再生の方が圧倒的に有利となります。

メリット②:競売手続・差押え等の中止

個人再生では上で説明した「住宅資金貸付債権に関する特則」を利用した場合、自宅の競売を申し立てられても、裁判所に競売手続の中止命令を出してもらうことができます。

また、給料の差押えなどの法的手段を採られた場合にも、中止や取消を得ることができます。

一方、任意整理ではこのような法的手段を中止させる強制力はなく、中止させることはできません。この点は、裁判所の手続きを利用する個人再生の大きなメリットでしょう。

メリット③:ハードシップ免責

個人再生では再生計画通りに返済ができない、やむを得ない理由があれば、申し立てを行うことで免責を得ることができます。つまり、残りの借金がゼロになるということです。

やむを得ない理由とは、怪我や病気で長期の入院が必要になった場合や、リストラに遭ったり自分の店が燃えて失業したが年齢的にも景気的にも再就職が難しい場合などが挙げられます。

また、貸金業者が一方的に不利にならないように、返済計画の75%以上は返済しておく必要があるなどの条件があります。

任意整理にはもちろん、ハードシップ免責はありません。支払いが困難となれば、再度、貸金業者と交渉するか、自己破産するしか方法はないでしょう。

任意整理と比較した個人再生のデメリット

次は任意整理と比べて個人再生にはどのようなデメリットがあるのかを紹介していきます。

デメリット①:利用には要件を満たす必要がある

個人再生は上記で説明したように、借金の総額が5000万円以下で、継続的な収入が見込めないと利用することができません。また、給与所得者等再生の場合は以前に自己破産をして免責が決定していると、7年間は利用できません。

任意整理に関しては、法的に満たさなければならない要件は決められておらず、返済できるだけの収入があれば可能ですし、個人再生の要件を満たしていない人でも可能です。

デメリット②:返済額の下限が決められている

上の小規模個人再生の所で説明しているように、いくらでも減額されるというわけではありません。最低でもこれだけは払いなさい!という額が決められていて、これを「最低弁済額」といいます。

さらに給与所得者等再生では最低弁済額が可処分所得の2年分以上の金額でなければなりませんので、もっと高くなります。

また、個人再生では返済期間も法律で定められていて、基本的に3年で、特別な理由がある場合に限って5年が認められますので、どんなに長くても5年がMAXです。

任意整理では、最低弁済額も返済期間の長さも法的に決まっていませんので、貸金業者と和解できる限り制限はありません。

デメリット③:官報に載る

個人再生を行うと、自己破産を行った時と同様に官報に掲載されてしまいます。官報とは国が発行している新聞のようなもので、インターネットで誰でも閲覧することができます。

一般の人で官報を見ている人はまずいませんが、個人再生をしたことがここからバレる可能性は少なからずあります。

任意整理ではブラックリストには載りますが、官報に載ることはありませんので、周りにバレるリスクは個人再生よりも低めでしょう。

まとめ

今回は任意整理と個人再生を比較して、その違いについて解説してきました。

安定した収入があり、官報に載っても大丈夫であれば、借金の減額が大きい個人再生を選択する方がメリットが大きいようです。しかし、官報に載りたくない場合や、整理する貸金業者を選びたい場合、また借金の総額が小さいと言った場合は任意整理を選んだ方がメリットが大きいようですね。

自分ではなかなか判断が難しい時は、弁護士や司法書士など専門家に相談することをおすすめします。

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